■ 「早期発見・早期治療」??
トラブルが起きる歯はというのは大抵早く治療した歯です。
再治療の度、ご自身の歯は削られていきます。
銀歯の脱離、さらに神経を取られ、あげくに抜歯されるという経過をたどるのです。
なぜか? それはお口の中の環境を考えてみればわかります。37℃の冷めない永久サウナ状態です。
しかも、80℃のお茶が入ってきたり、0℃のアイスが入ってきたり、激辛ラーメンが入ったり、炭酸が入ったりします。
さらには噛む力まで加わります。それに耐える材質ってなかなかありません。
でも天然の歯は耐えてるなぁ、そうなんです、天然の歯はすごいんです。
人間の作ったものなど、たかが知れています。
できたら触らないほうがいいのです。
ただし、どうしても治療が必要な歯というのは存在します。
その時は、せめていい材料で治療することをお勧めします。
その虫歯の原因を絶たなければ何度治療しても虫歯になります。
その歯周病(歯槽膿漏)の原因を絶たなければ何度治療しても歯周病は進行していきます。
その人の疾患を早期に発見し、リスク(危険度)考え経過を診ていくことが重要です。
そして、適切な処置を、適切タイミングで行います。
そのためには定期的なメンテナンスが必要になります。今、歯医者は痛くて行くところではありません。
お口のクリーニング(掃除)をする気持ちのいい場所なのです。
■ 自分で治す歯科治療 =(抜かない・切らない・削らない)
まずは、ご自身の口の中に関心を持っていただくことから始めます。そのため、初診時には検査をしっかり行い説明させていただきます。
そのうえで予防重視の内科的治療を優先させます
口の中の環境を整えることが、とても大切です。
口腔環境を整える方法が「正しい歯磨き」です。簡単なようですが、とても難しいので練習が必要となります。
しかし、定期的に練習をすれば、必ず上手になり、歯肉は健康になってきます。
歯ブラシの選択は重要です。歯ぐきの状態にあってない歯ブラシの使用は逆効果となります。歯ブラシの選定はプロの歯科衛生士にお任せ下さい。
口腔環境が改善されると、歯肉は健康な状態になり、
虫歯の進行もストップします。(白い虫歯から黒い虫歯に変わると進行は止まります。)
虫歯の治療より歯肉の健康を優先した方が、結果的に良いようです。
歯周病(歯槽膿漏)の原因はプラーク(歯垢)と噛む力です。前者に対する処置が歯磨きです。後者に対しては噛み合わせ調整を行うことで左右のバランスをとります。
歯科疾患のその多くの部分は「生活由来疾患」だと思っています。だとすれば由来となった生活を改めることで「生活」の中で「自ら治す」ことが可能です。
歯科治療の役割は、患者様が「自ら治す」のに必要な知識と技術を提供し、それらを身につける手助けをすることだと思います。